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127号 生誕百年・没後七十年記念 中原中也

127号 生誕百年・没後七十年記念 中原中也

奈津光平氏の二作品の盗作についての謝罪

                                水口洋治

 七月八日の夜に、私は、本誌「PO」の発行所である竹林館の左子真由美さんから、「奈津光平氏から、「PO」一二七号掲載の水口洋治氏の三作品の内、二作品「赤い靴音」と「金色の穂波」が奈津光平氏の詩集『残影』の作品を盗作しているとの連絡があった。調べたところ、完全な盗作である。どういうことか。」という趣旨の電話を受けました。
 奈津光平氏の詩集の発行年月日は「PO」一二七号の発行年月日より前ですから、私が盗作行為を行ったことは客観的な事実であり、そのことを率直に認め、奈津光平氏に深くお詫びします。

 何故このようなことが生じたかについて、この場をお借りして、事情を述べることをお赦しいただきたい。
 私は、昨年の一月から三月にかけて、精神病院に入院しました。その際、一冊のノートを持ち込みました。それは、日ごろ思い付いたことや、反省、もし詩が書けたら、詩を書きつけるためのノートです。入院を余儀なくされるほどに病状が悪化していただけに、入院中の記憶は、きれぎれの記憶しか残っていません。妻にいろいろ本を差し入れてもらったりしていましたが、その時に奈津光平氏の詩集も入っていたのだと推測します。私は色々なことをノートに書き込みましたが、同氏の詩集から二作品をノートに書き写したのだと思います。同じ頃、他に「空虚なかたち」という作品も書きました。
 退院後、半年ほどして、入院時のノートを読み返し、ノートに「赤い靴音」、「空虚なかたち」、「金色の穂波」という三作品が書きつけてあるのを見付けました。私は、この三作品を私が書いたのだということを疑いませんでした。内、二作品が誰かの作品の書き写しであることに私が気付いていたなら、私が愛してきた「PO」に掲載して「盗作」という汚名を被ろうという不名誉な行為は、絶対にしなかったでしょう。
 しかし、私は、うかつにも、詩集「残影」のことを忘れ、奈津光平氏のことを忘れ、同氏の二作品と私の「空虚なかたち」というノートに書きつけてあった三作品を、そのまま私の作品として入力して、編集長のところに送信してしまったのです。
 私の精神的な病が悪化していた当時のこととはいえ、このような事情は、奈津光平氏には全くかかわりのないことであり、完全な盗作であることは、論を待たずして明らかです。奈津光平氏に深く謝罪する所以です。

 末筆になりますが、今回のことで、奈津光平氏はもとより、「PO」の会員、読者、発行所及び編集スタッフにも多大のご迷惑をおかけし大変に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます。このような過ちを二度と起こさないよう、今回のことを肝に銘じ、いい詩を書きたい、読者を大切にしたい、その思いを胸に、今後の詩作、文筆活動に取り組んでいきたいと存じます。


127号 特集:生誕百年・没後七十年記念 中原中也
中原中也の恋歌――さらば青春・・・小川和佑
中原中也『散文詩集remix』序説・・・山田兼士
中原中也と運命の女神―ダダにおける堕落と破滅の蜜月時代―・・・湯澤利明
中原中也と湯川秀樹・・・藤田明史
中原中也と「骨」接ぎ・・・東 順子
中原中也の魅力・・・森 修
雑感――中原中也の世界を垣間見て・・・門脇吉隆
阿修羅童子・中也居士――ダダさんと呼ばれた頃・・・梶谷忠大
怒りと度量・・・三方 克
黒田三郎の中原中也論・・・佐古祐二
愛してゐた―中原中也「冬の日の記憶」より―・・・中野忠和
遥かなる中也を偲んで―ある午後 鎌倉にて―・・・蔭山辰子
徹底的決定的モーメント・・・堀 諭

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扉詩・・・山崎広光
ピロティ・・・言葉の復権 喜田りえ子
舞台・演劇・シアター・・・逸翁の遺産 河内厚郎
この詩大好き・・黒田三郎「ある日ある時」―日常語で詩を書くことについて 佐古祐二
一編の小説・・・司馬遼太郎『奇妙な剣客』 中野忠和
一冊の詩集・・・「もの」の静かなる生 森 哲弥詩集『物・もの・思惟』 左子真由美

一冊の本・・・ことばの力の回復のために 小川和佑著『花とことばの文化誌』 左子真由美
ギャラリー探訪・・・「余呉の天女」三橋節子画 絶筆展 藤原節子
ビデオ・映像・ぶっちぎり・・・本土防衛の砦「硫黄島」かく戦った 佐藤勝太
竹林館BOOKS・・・佐古祐二詩集『ラス・パルマス』感想 批評からの抜粋
詩誌寸感・・・民衆の感受性は未だ侮れないか? 北村こう
竹林館BOOKS・・・蔭山辰子詩集『ヘリオトロープの花たち』 ときめき屋正平

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