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始発駅西きくこ詩集

著者
西きくこ
サイズ
A5判
142ページ
製本
ハードカバー
ISBN
978-4-86000-336-4 C0092
発行日
2016/06/10
本体価格
1,800円

個数  

わたしの旅はここから始まった。

わたしの駅はいつも始発駅。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

西さんのまっすぐなまなざしはあらゆる生き物や人々や世界に注がれ、

それらを輝かせることでしょう。そして、その輝きは西さんの詩という

「手紙」をとおして、人から人へ暖かい灯をともし続けることでしょう。

西さんの「始発駅」からすべての人のそれぞれの駅へ。

 

                           左子真由美

 

 

 

 

ひらく

 

 

夏の日

ながいあいだ

閉じたままの

二階の小さな窓をあけた

 

せまい枠の中に

意外な風景

土の再生のため

水を張った畑に

シラサギが 一羽

目にとびこんできた

 

わたしの中の

かたくなな部分が

ぱっと ひらいたような

すがすがしい気分

 

あけるって

こんなに簡単なことなんだ