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新しい記憶の場所へ 榊次郎詩集

著者
榊次郎
サイズ
A5判
151ページ
製本
ハードカバー
ISBN
978-4-86000-298-5 C0092
発行日
2015/03/01
本体価格
2,200円

個数  

遠く離れた南の島に住む友を思い浮かべる時
思いはいつも私の心の中でたゆたう
もう島では冬のホタルが飛んでいる頃だろう

30数年の空白の後に編んだ第3詩集


Ⅰ 愛おしい球形
Ⅱ 秋色に恋して
Ⅲ 寝てはならぬ
Ⅳ 時空旅行
Ⅴ 銀河鉄道のコールサック


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寝てはならぬ

やすらかな眠りの只中で
何を夢見ているのだろうか
かけがえのない
おまえとの至福の時が続けばと願いながらも
私の杞憂は膨らんでいくばかりだ
曇る窓ガラスの外 風は灰色の雲を呼び寄せ
枝に留まる残り少ない枯れ葉を引き剥がし
すでに
季節は着実に長い冬の時代へ突き進み
太陽の光までもが
茶色の朝に染め上げようとしている
だから さあ早く 目を覚ませ
凍える朝がやって来るまえに 起きてくれ