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石上露子百歌 解釈と鑑賞

著者
宮本正章
サイズ
ISBN
978-4-86000-177-3 C0095
発行日
2009/10/08
本体価格
1,800円

個数  

──没後50年記念出版──

伝説に縁取られた石上露子の実像と

文学の本質に迫る著者渾身の書
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 『明星』の女性歌人の鳳(与謝野)晶子・山川登美子・増田(茅野)雅子・玉野花子らにとって、歌は主として恋情を訴える手段であったが、露子には「実らぬ恋」への絶望感の表出であったがゆえに、より切実な悲痛の思いが読者の胸をうつ。
 私は例会の合間に、たびたび富田林の寺内町を歩いてみた。かつての豪商たちの繁栄をしのばせる甍の並ぶ町である。豊かな富を誇ったこの町は、明治という新時代を迎えても、江戸期の閉鎖的な気風を留めていたのではなかろうか。露子の母は大地主の本家の継嗣をめぐる親族間の陰謀に巻き込まれて婚家を追われたように思える。露子は閉塞された時代と家制度の重圧に抗し自由を希求する魂の叫びをあげたが、遂に敗れて囚われ人のように生きた。
       (「あとがき」より)

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大阪南部・富田林
ここに ひとりの女は生きた
『明星』で「しら菊の君」と呼ばれた歌姫
時代を超える鋭い知性を抱えながらも
旧弊な時代の波に抗しきれずに消えていった
かなわぬ恋への悲しくも 清冽な 歌を残して

この書、露子の歌の解釈鑑賞は、初めての画期的な試みである。
地域の文化サークル「石上露子を語る集い」の会員の
協力によってできあがったというユニークな書なのである。